鴨東幼稚園

臨床心理士・ゆかこ先生のおはなし

冬らしい寒さが続いていますが、梅のつぼみがふくらみ始め、少しずつ季節が進んでいることを感じます。長引くコロナの影響で、不安や不自由な思いをしている方もおられるかもしれませんが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。お子さん、ご家族で、もし心身の不調など何か気になることがあれば、小さなことでも、早めに一度ご相談ください。

“今”を認めて、ポジティブなことばで

先日、暖かく気持ちのいい日に、ゆり組のこどもたちが、お砂場で特大のお山を作っていたり、自分の好きなことにじっくり没頭していたり、それぞれに充実した表情で遊んでいる姿を見て、幼稚園での数年間で体も心もこんなに大きく成長するんだな、とあらためてしみじみ感じている3学期です。この時期になると、大人の口からは、「もうすぐ1年生(○○ぐみさん)になるんやから…」という言葉が時々聞こえてきます。親や先生としては、”準備しないと”という思いになるのはよくよく分かりますし、つい出てくる言葉ですよね。でも、子どもたちの心はしっかり育っていて、1つ学年が上がることを自分でもちゃんとわかっています。そしてそのことへの楽しみや誇り、緊張や不安などいろんな思いを持ちながら、日々、それぞれの精一杯で過ごしているので、そこへさらにプレッシャーを与えるような言葉はいりません。特に、「そんなことしてたら1年生(○○ぐみ)になれへんよ!」はいちばんのNGワード。子どもはど~んと撃沈された気分になってしまいます。何においても言えることですが、特にしつけなどでは、ネガティブな言葉を使うよりも、「○○ができるようになったね!さすが○○ぐみさん(現在の年齢で)!!」とか、小学校行ったら○○が楽しみやね~♪」など、自信や楽しみを持てるような具体的でポジティブな言葉を使う方が、子どもは安心して、落ち着いて、楽しみに次のステップに向かうことができます。

準備はあせらず、よい日々を

新しい学年になる前に、と、たとえばトイレットトレーニング、身の回りのことを自分でする、早寝早起き、文字を覚える…などの練習や準備もついついさせたくなりますが、それもまったくしなくてもOKです。タイミングはそれぞれ違いがありますが、そのうちに、いつかは、周りを見て自然とできるようになります。また、お家ではできていなくても、園や学校生活が始まると、そこでは何とかなるものです。むしろ、準備や練習を頑張りすぎて、余計にイヤになったり不安が高まったり、逆効果なこともあります。場合によっては、様々な身体症状やクセ、行動の変化が表れることもあります。ですから、今の大切な日々を、余計なプレッシャーなく思いっきり遊んで、「あ~楽しかった~」と思える時間を過ごすこと、ゆったり休息すること、そして十分に甘えること(だっこだっこと甘えてきてくれるのもあと数年ですよ^_^)、これが次のステップへの何よりの準備です。子どもたちの成長を見ていると、それは親御さんや先生方の「子どもを大切に思うきもち」という栄養をたっぷりもらってこその、よい育ちだなぁ、と実感します。親御さん自身も「あーよくがんばってる!」と自分をねぎらって下さいね。親も子もみなさんが、自分を大切にして、よい日々を送っていかれることを祈ります。(有井友佳子)

卒園後も、卒園生、ご家族のご相談をお受けしています。在園児の方も、相談ご希望の方は、園に予約をお願いします。相談内容は守秘義務が守られます。

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