鴨東幼稚園

臨床心理士・ゆかこ先生のおはなし

新年度が始まって早くも2か月近く経ち、緑が美しい季節になりました。臨床心理士の有井友佳子です。鴨東幼稚園に来て17年目、初めて出会った子が成人したと聞き、とても感慨深く、大切な幼児期の子どもたちと保護者の皆さまと共に過ごせることを、とてもうれしく思っています。どうぞよろしくおねがいします。

大切なふたつのこと~「甘え」と「あそび」

幼稚園では運動会も終わり、子どもたちがのびのびと思い思いにあそんでいますね。おうちの人と離れるさびしさを越えて、先生やお友だちと、時には泣いたり怒ったりけんかもしながら…まさにその姿に、幼児期にいちばん大切なことがぎゅっと詰まっています。それは、「周りを信頼して甘えて、思いっきりあそぶこと」です。乳幼児期を通して、子どもの欲求が受け止められ満たされることを繰り返す中で、子どもは自分が生まれた世界への基本的信頼感と自分の存在への自信がしっかりと育ち、それはその人の人生の一生の土台となります。赤ちゃんは泣けば、たいていの場合、かいがいしくお世話をしてもらえますが、だんだん大きくなってくると、一人でできることや我慢できることも増えてきて、ついつい自立を促されます。けれど、ぜひ、子どもが求めている間は、いつまでもお世話したり抱っこしたり、甘えさせて下さい。それで自立が遅れたり、わがままになったりはしません。むしろ、十分満たされ、気持ちが安定していると、自然に自立していきますし、また子どもの要求が先に満たされてこそ、大人の言うことも聞いたり、やるべきことができるようになります。そして、親や信頼できる先生に見守られた安全基地の中で、指図されたり𠮟られたりせずに、自分のやりたいことに没頭して自由に思いっきりあそぶことを通して、自立や社会性、感受性など、あらゆる力が育ち、少しずつ世界を広げていくのです。この「甘え」と「あそび」がしっかりできていれば、子どもが生来持っている”自分で成長する力”が発揮されるのだ、と、いつも子どもたちから教えられています。

みんなで子育てを

と言っても、親の方に心と体の余裕がないと、こんなふうに子どもに接するのは難しいですよね。きっとどの親御さんも、やさしく笑顔でいたいと思っておられると思いますが、24時間365日休みなしの育児に疲弊しきっていると、頭ではダメだとわかっていても、どうしても感情的になって声を荒げてしまうことは、多くの方が経験されているのではないでしょうか。けれど、日頃から、”あなたは大切な存在だよ”ということが子どもにしっかり伝わっていれば、少々怒鳴ったくらいでは大丈夫です。子ども一人を産み育てるのは、他のどんな仕事とも比べられない大変な大仕事です。子育ては家族だけでするのではなく、親は「こんなスゴイことしてるんだから」と、堂々と周りに頼って下さい。まずは親御さん自身が心身共に健やかに暮らせ、地域で、みんなで子どもたちを大切にしていくことができるよう、一緒に考えていきたいと思っています。

来園日・相談日

第2.4火ようび午前

相談日:第3火ようび午前

・一人45分・園にご予約下さい

・相談内容は守秘します

・子育て全般、発達、気になるクセや症状について、卒園生、きょうだい、ご家族のことなど。

おはなし会

保護者の皆さまとのお話会を各学期に予定しています。日頃気になっておられることなど何でも気楽に話す座談会です。ぜひご参加お待ちしています!

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