鴨東幼稚園

臨床心理士・ゆかこ先生のおはなし

幼児期に大切なこと②

青空のもと、外あそびやピクニックが気持ちいい季節になりました。子どもたちが落ち葉や木の実をたくさんひろって、思い思いに想像力をふくらませて遊ぶ姿はいいですね。

やっとやっと運動会も終わり、子どもたちはほっと一息という感じでしょうか。初めての運動会、2回目、3回目の子どもたち、ゆり組さんは最後の運動会…それぞれに色々な思いで精一杯臨んだことと思います。練習から本番まではりきって取り組む子もいれば、みんなでの練習や大勢の人前で尻込みする子もいるでしょうが、どの子もみんな、心の中では一生懸命、色んな思いを持って意識しています。表に表れるのがどんな姿であっても、たっぷりほめて下さいね。中には無意識のうちに、緊張していて夜眠りにくくなったり、指しゃぶりなどの症状が出たり、聞き分けがむずかしくなったり、いつも以上に甘えてきたり…普段と違う様子が見られることもあります。そんな様子が見られた時は、あ~すごく頑張ってるんだなぁという思いで見ていただき、しつけなどは少しゆるくしたり、いつもより甘えさせたりしてもらえると、子どもはとても安心でき、心のエネルギーが回復します。

運動会や行事の前後に限らず、普段から「甘えさせて」と口うるさいほどにお伝えしていますが、どこまで甘えさせていいのだろう…自立やしつけは大丈夫だろうか…と思われる親御さんもおられると思います。赤ちゃんの頃は、赤ちゃんは泣けばすぐに抱っこ、ミルク、おむつなど無条件で要求を満たしてもらえます。そのくり返しで子どもは、自分は守られている、安心できる、世界は信頼に足るものだ、という“基本的信頼感”(=人格形成において最も大事な土台)をしっかりと築いていくことができます。成長に伴い幼児期になってくると自分で出来る事も増え、子どもの要求も変わってきますし、親の方も、もう○○才なんだから…とつい早く自立させようとしがちです。けれども、“基本的信頼感”は乳児期にだけ育まれるわけではなく、幼児期以降も(時には学童期でも)その時々の子どもの求める要求をできる限り、(無条件で)満たすことで、十分に育まれていきます。ですから、子どもの求める“甘え”にはいくらでもこたえてよい、と私は思っています。それで自立やしつけの妨げになるわけではなく、むしろ、子どもが“自分は受け入れてもらっている、大切にされている”という体験を十分に積み重ねることによって、いつか子どもの側の準備が整った時に、すーっと無理なく自立していきます。そして何より、子どもがこれからの人生において、何か困難にぶつかった時に、自分を守る力、乗り越える力になっていきます。人生のはじめの数年のこと、大いに甘えさせて、焦らずゆったりと、親子の時間を過ごしてもらいたいなぁと願います。(とはいえ、毎日毎日のことそんな余裕がないこともよくよくわかります…親もカンペキじゃなく、できる時もできない事もあって◎)