鴨東幼稚園

臨床心理士・ゆかこ先生のおはなし

自分で成長する力

まだまだ続く目に見えないウイルスの脅威に加えて、各地での豪雨災害のニュースを見て、これから私たちは、この自然とどのように共存していくのかと考えさせられる今年の夏です。幼稚園の皆様、ご家族の皆様のご無事を心から祈っています。

長い休園期間があり、また再開後も新しい生活スタイルに慣れないこともある中、子どもたちが笑って元気に遊ぶ姿を見ているとこちらが元気をもらいますね。

新入園のお子さんたちと保護者の皆さま、1つ学年が上がって新しい教室や先生になった子どもたちは、幼稚園の生活に慣れてこられましたでしょうか。子どもというのは本当にエライもので誰に言われなくても、‘‘幼稚園に入った!”‘‘おにいさんおねえさんになった!”とちゃんと自覚してがんばろうとします。その思いと、まだ能力が十分に追いついていない部分とのギャップでうまくいかずに、時にはカンシャクを起こしたりすることも出てくるかもしれませんが、子どもの‘‘じぶんで!”伸びようとする芽をそっと、根気強く見守って下さいね。

先日、休園明けに久しぶりにお会いしたお母さんから、うれしいお話をお聞きしました。‘‘自粛期間中ずっと親子でべったり、しつけも気になったけどまぁいいか~と、ゆる~りと過ごしていたら、急に子どもが自分から自分のことを一人でするようになったんです!”と深く感じ入っておられました。こんなふうに、子どもを信頼して任せてゆったりかかわれたお母さんも素晴らしいですし、子どもの方もそれにちゃんと応えてくれる、ということを改めて確かめられらた思いがしました。一人でお着替えや食事の習慣、トイレ・・などなど、親としては気になることも、こうなってほしい、という思いがあるのはよくわかりますが、焦らなくても、心配しなくても頑張って練習させなくても、不思議なことにだいたい卒園する頃には、ちゃんとそれなりに出来るようになっています。大人ができることは、子どもの自分で成長する力を妨げないよう、ゆったり見守り、子どもが必要とするところは、もったいぶらずに手を貸すことくらいです。

今は、子どもたちがのびのびと、体も心も健やかに暮らせている日常が本当に貴いことだなと感じています。

 

今年は幼稚園での生活も今までとは少し違う形になることもあり、特に幼稚園最後の年となるゆりぐみさんにとっては、残念に思うこともあるかもしれません。去年のゆりぐみさんも、みんながとっても楽しみにしていたお別れ遠足が中止になりました。代わりに先生方が作って下さった鴨東水族館へ!子どもたちは大喜びで満喫し、大興奮でそのことを話してくれました。私はそれを聞いて、じ~んと胸が熱くなりました。(わが娘も幸運にも鴨東水族館にいくことができ、またゼッタイ行きたい!と思い出しています。)子どもの持つ感性ってすごいですね。どんな状況でも、お友達や先生と過ごすどんな時間も、子どもにとってはかけがえのない宝物になります。どうか、すばらしい1年になりますように。

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